第21話
さて、4月17日(火)10時36分から春土用に入り、5月4日(金)に土用明けします。前にもお話しましたが、土用は土旺(どおう)用事と言われ、陰陽五行によると、春=木、夏=火、秋=金、冬=水を割り当て、土は変わり目に当てられました。年4回あり、平気法(へいきほう)では四(し)立(りゅう)、冬至の約136.97日・228.28日・319.59日・45.66日後の18日前が土用入りになり、土用の期間が毎回18日になります。それに対し定気法(ていきほう)では、太陽黄経45度・135度・225度・315度の18度前(45-18=27度)以下117度・207度・297度となる日が土用入りになります。国立天文台では、定気法を用いて各土用の入りの日時を発表しています。東洋に土用があるなら、西洋には「ボイド」という「魔」の無効時間帯があります。この時間を侵すと、主に決定事項や新規事に影響があり、自分が自分でないと感じたり、普段うまく出来ていたことができなくなったり、ミスを多発するようになります。さらに感情コントロールや思考能力低下、コミュニケーションの違和感が挙げられます。これは西洋占星術で「ボイドタイム」と呼ばれています。
例えば、ドイツの精神科医 S・ガンザー (1853~1931) が拘禁(こうきん)(強制的に自由を抑圧される環境に置かれること)された未決囚(みけつしゅう)(刑が確定するまで刑事施設に拘禁されている被疑者のこと)にみられる症候群として報告したガンザー症候群がありますが(ガンザー朦朧(もうろう)状態とも言い、拘禁下の心因反応としてみられることの多いヒステリー性精神症状のこと)症状として、質問を受けた際,内容はかなり正確につかんでいると思われるのに,ばかげた応答をするなど痴呆と見誤るような症状があり、多くの場合、意識障害、幻覚性(げんかくせい)錯乱(さくらん)、夢幻(むげん)様(よう)状態(じょうたい)などを伴(ともな)いますが、長期間継続することは少いようです。解離性(かいりせい)障害(しょうがい)に含まれますが、解離性(かいりせい)健忘(けんぼう)、解離性(かいりせい)遁走(とんそう)、離人症性(りじんしょうせい)障害(しょうがい)に当てはまらない特定不能の解離性障害になります。ボーッとした表情と弱々しい態度が特徴的で、困難な状況に直面したときに見られる小児症や道化症候群と言われる、人を化(ば)かす行動もあります。
次に、ミュンヒハウゼン症候群ですが、虚偽性(きょぎせい)障害(しょうがい)に分類される精神(せいしん)疾患(しっかん)の一種で、人の関心や同情を引くために演技をし、自傷行為も多く見られるようです。1951年にイギリスの医師、リチャード・アッシャーによって発見され「ほら吹き男爵(だんしゃく)」と呼ばれていたミュンヒハウゼン男爵にちなんで命名されました。
この病気は、虚偽の病気にかかっている本人であるミュンヒハウゼン症候群の患者と、近親者(母親の子供に対するケースが多く、配偶者のケースもあり)を病気に仕立て上げてしまう「代理ミュンヒハウゼン症候群」の2種類があります。厚生労働省が平成20年度に発表した統計によると、2008年4月~2009年3月の間に、虐待死(心中は除く)した児童67人中3人が、代理ミュンヒハウゼン症候群で死亡しているようです。このような精神に関する障がいの多くは、不可解なことも多く、理解することが難しいです。なぜなら、人間社会で設定している常識というものの外で起きていることが多いので、そこには天体やスピリチュアル的な影響も多分に介入しているからです。それらを医学的見解に適応させるにはいくつもの難題をクリアーしていかなくてはなりません。枠組みを設けて病名が付けられていますが、現段階では限界があるように感じます。科学と非科学と呼ばれている、この境界線をいかに調和させて線引きするのかも今後の課題なのかもしれません。さらなる医学の発展に期待したいと思います。
このボイドタイムは歴代米国大統領や各国要人の中にも避けている人が多いようです。月が他惑星との間に形成する角度のことを「アスペクト」と呼び、月が他惑星の影響力から孤立することをボイドと言います。4月16日(月)10時58分から新月に入り、同時に春土用の影響下にも入っていきます。1日(日)から数えても7回ボイドの干渉があり、純粋に新月の影響力が無効化されます。ただ、重力や引力が無効化されるのではなく、本来、届いてくるべき外部から入ってくる星の力(運)が降ってこないという意味です。それでは最後に、この言葉で締め括りたいと思います。
天の事象と地の理を観(み)・光(こう)闇(あん)交わる時・時代が動く・我、闇に介入せしも、そこは光常なり・猛(たけ)き我・今も尚(なお)ここに在りて・鬼と戯(たわむ)る・常に月将を以て占時に加え・日(にっ)辰(しん)陰陽(おんみょう)を視て四課を立つ・・占事略決より